滑落事故自体は大きく報道されたので、ご存じかと思う。

https://darwinawards.com/darwin/darwin2020-01.html

ダーウィン賞とは、一種のユーモアであり皮肉である。間抜けな理由で亡くなった故人に贈られる賞で「あなたのような間抜けがその遺伝子を残さなかったことを表彰する」といった意味合い。ダーウィンとは進化論で有名なあのダーウィンである。彼の名を借りて、間抜けの遺伝子を残さず死んだことが、後世の人類への貢献であると称えたわけだ。1,2年ほど前だろうか、存在を知って大変に面白いコンセプトだと思った。ただ死んだだけではだめで、受賞にはいくつかの要件がある。いずれもなるほどと頷けるものばかりで、ゆえに味わい深い賞だと思う。淘汰も進化の一形態と言えるのだろうか。

冒頭のリンクはダーウィン賞に関して著名なページになるが、日本語でもwikipediaに情報があるので目を通してはいかがか。2010年韓国の事例は、動画を見たこともある人多いと思います。

進化のその最初の一歩は、何かの偶然などで経験を得て、それを見た誰かがその場で真似てみて、といった現代の感覚でも短いと思える時間で成り立つと想像する。食べたらダメな植物とか。学びが要る。ごく単純な、パターンAとパターンBの結果を比較するというようなものから始まるのだろう。現代では、過去にはいくつかの命が犠牲になったような事案を、口伝に始まり書籍、インターネットで学びの一環とすることができる。大げさに言うならば、進化の過程、または進化を得た場面を共有できる。

凍った山を歩くと、滑って落ちる。

受賞した男性について、結果として不幸な事故には違いないのだが、愚かとの謗りを免れない状態だったようだ。あの場面で滑落しなくても、時刻と装備を考えれば生存は厳しかったのではないか、という意見もある。アウトドアは素人だが、その指摘には納得できる。また、映像が残っていることもあり、専門性の高い知識を持った方々の意見も多く寄せられたようだ。そんな装備でこの時期に登ること自体があまりにも愚かであったと。なお、滑落死した男性の、実際に配信された動画も見ることができる。精神に強いショックを与えるようなものは映っていないが。ご覧になるとよかろう。実際に配信された映像が残っていることが受賞に寄与しただろうか…。ご覧になればあなたの進化がここにあると信じ、せめてそれが弔いにならんことを願いたい。

で、終わりなんだけど、もう一歩話を進めーの。最近はGOproのような機材も多数あり、この事例のようなアクシデント動画が豊富になってきている。youtubeで、「gopro close calls」「gopro near death」といったキーワードで検索をお勧めする。どちらも「ギリギリセーフだった」「まじ死にかけた」という意味で、そういう場面を集めて編集された動画を発見できる。怪我はしているかもしれないがグロいものなどはない。無事では済んでないけど…。こういうのを見て、軽い気持ちで大自然満喫レジャーとかやるもんじゃないなと思うし、また一方で、セオリーに従った装備や作業手順、行動で事故から生還する確率は高まるもんだなとも思う。あと交通ルールは守ろう。ダメ、ゼッタイ。

結局運次第じゃねーか、なんて学びを放棄すると、危ない。