アウトドア般若心経という、みうらじゅんの企画がありました。般若心経の280ぐらいの文字を、それぞれアウトドアで写真に収めて般若心経を完成させようという試み。かなり昔の記憶ですが、完成時にはタモリ倶楽部で読経が披露されたりもして、なかなか感心した記憶があります。もともとサンスクリット語に感じを当てているので、日常は使わない文字があり、それをどうクリアするのかというのが一つの攻略のポイント。また、アウトドアという条件により、主に公の場所にある文字という追加の縛りが生まれる。

今なら予備調査簡単なんじゃね?と思ったので自分でもやってみました。予備調査だけ。実際に本編を真似する人がもっといても良いと思うんだけどな、見かけないねえ。

まずはルールを考える

般若心経の文字列はwikipediaを参照しました。細かいバージョン違いのようなものが各種あるらしいですが、そんなもん素人がこだわってもしょうがないので。コレクションの対象はこの文字列。コレクションの際には、世間一般に迷惑をかけないように、法規に触れることや、他者のプライバシーを害することも慎むべし。アウトドアということなので、公共の場所にあるもので完遂させたいところです。協力してくれた人の名前から取得する(免許証の画像とか)ようなケースは趣旨に反するような…。逆に、許可を頂いたうえで、表札とか名刺から全部集めたらそれはそれですごい。会うとドア般若心経なんつってwww

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AC%E8%8B%A5%E5%BF%83%E7%B5%8C#%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88

文字の種類

ネット上にあるツールやコードスニペット類で調べたところ、登場する文字の種類は118と出ました。一番多く登場するのは、「無」で21回。以下、「羅」「不」「是」「波」「般」「若」と続きます。同じ文字を同じ写真で誤魔化すなら118か所発見すればよいですが、そんなことは許されません。一回しか登場しない文字が63文字あります。まずはこいつらを片付けてから、複数回使っている文字をカウントしながら集めていくのがミスが少なそうでしょうか?

難所

文字列を眺めたところ、街中で見かけない文字も多く、中には人生で一回も見た記憶がない文字すらあります。「亦」「訶」「蘊」「耨」「藐」「埵」「罣」特に、「亦」を4つ集める必要があります。さらに、「羯」を4つ「呪」を6つ集める必要があります。こんなのアウトドアにありますかね?

そこでインターネット素晴らしい

地名、駅名、企業名あたりで使われていれば、画像を取得できる場所の特定は容易ではないかと思います。「亦」のケースを試してみましょう、実際にこの企画をやりたい阿呆の活発な方にとっては以下ネタバレかもしれません。

http://www.matanosekkei.com/

https://www.obirin.ac.jp/about/campus/machida.html

http://www.joint5.jp/ekiraku/ekiraku00/index.html

https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92989-6836+%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E7%9C%8C%E5%A4%A7%E5%B4%8E%E5%B8%82%E9%B3%B4%E5%AD%90%E6%B8%A9%E6%B3%89%E7%84%BC%E7%9F%B3%E4%BA%A6/@38.7161849,140.6532106,15z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x5f8947a6bbaf128f:0x3b579988ddd84a21!8m2!3d38.7164268!4d140.6631355

https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92028-7613+%E5%B2%A9%E6%89%8B%E7%9C%8C%E5%85%AB%E5%B9%A1%E5%B9%B3%E5%B8%82%E4%BA%A6%E6%88%B8%E5%B7%9D%E5%8E%9F/@40.1387187,140.9463861,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x5f852e13f9d47bd9:0xf4a297e671c93e4a!8m2!3d40.1373475!4d140.9467341

十分ほどで四つ以上発見。しかし、現地で画像に文字を収めることができるか、というのが勝負ではあります。上記以外にも候補はあるにはありますが。ところが、「耨」「藐」になるとさすがにぱったり情報が途絶える。実際にみうらじゅんは達成して本まで出しているんだから、少なくとも当時はあったはずなのだ。検索を続けるとその答えには到達しますが、それ以外に正解はあるんだろうか。個人的にはあると思う。どこかの史跡の案内文とかにあるんじゃないだろうか。

チート

般若心経を掘った墓石とか、寺社とかに掲示してある般若心経を撮る。

 

さあみんなもやってみよう。


んで、デジタルデータにおける宗教的体験とはどういうものなんだろう。何か象徴たる存在の有難みは、その実存ゆえにあるのかもしれない。しかし肝心の神や仏の実存が曖昧だ。つうか実在しねえわ!!故に教祖様とか生まれ変わりだとか胡散臭い実在、なんならガチの犯罪者まで含めて実在するわけだ。そんなものに縋るぐらいなら、画像検索とか動画再生だけでありがたや~、と感じるぐらいが昨今の平和な心、慈悲の一つのありようなのかもしれない。